菅原組について

創業70周年記念インタビュー:伝統を次代へ、信頼を未来へ。
株式会社菅原組 代表取締役 菅原 修

president

【70周年の節目を迎えて】
「感謝」と「覚悟」――。100年企業への通過点として。

昭和31年(1956年)、北海道松前町の地で産声を上げた菅原組は、おかげさまで創業70周年という大きな節目を迎えることができました。
私がこの世に生を受けて2年後に菅原組が創業しましたので、この70年という月日は私の人生そのもののように感じています。
率直な今の心境を申し上げれば、まずはこれまで私たちを信じ仕事を任せてくださった地域の方々、漁業関係者の皆様、そして共に荒波を乗り越えてきた社員とその家族に対し、深い感謝の念でいっぱいです。
この70年という節目は単なる到達点ではなく、次の100周年に向けた「進化の出発点」にするのだと決意を新たにしています。

【苦境が育てた「絆と結束力」】
リスクを恐れず、逃げなかった歴史が「今の強み」に。

かつて、海洋土木は今以上にリスクの高い仕事でした。先代が「海洋土木をやらないか?」という呼びかけに応じたのが、私たちの転換点です。かつては今のような大型クレーンもなく、ドラム缶に型枠を載せて海へ運ぶような時代もありました。時化(しけ)が来れば、一日の仕事が水の泡になる、そんなことも日常茶飯事でした。新参者ゆえの苦労も絶えず、資金も機材も乏しい中、知恵と工夫で徐々に信頼を得てきたように感じています。
順風満帆に見える時期もありましたが、振り返れば最大の危機はバブル時代にありました。世の中が浮き足立つ一方で、実は公共事業が極端に減り、海洋土木を主軸とする私たちの仕事がぱったりと途絶えた時期があったのです。
仕事がない中、雇用を守るためには「外に働きに出る(出向)」しか道はありませんでした。しかし、住み慣れた土地や仲間を離れる不安から、最初は誰も手を挙げませんでした。 そこで私は「まずは自分が手本を示さなければ、誰もついてこない」と決意し、自ら出向に赴きました。私が現場最前線で働く姿を見て、社員も出向へ向かってくれるようになりました。あの時、社員がバラバラにならずに踏み止まってくれたからこそ、公共事業が回復した際、私たちはいち早く再起することができたと思っています。そしてその経験が「一度もリストラをしない」という強い信念に繋がっています。 また会社の存続が危ぶまれる中、断腸の思いで役員報酬のカット、そして社員の皆さんにも給与カットをお願いせざるを得ない状況に追い込まれたこともありました。経営者としてこれほど苦しい思いをしたことはありません。 しかし苦境の時に身を削って支え合えた絆があったからこそ、その絆が今の私たちの真の強みになっています。
2011年、東日本大震災の復興支援では、震災の一ヶ月後に私一人で東北へ乗り込みました。なんの伝手もない中で現地企業に飛び込み、「手伝わせていただけないだろうか」と直談判した日々。「困っている誰かのために動く」という想いが今の菅原組の結束力に繋がっていると思っています。そしてあの決断が、結果として社員の仕事を守り、会社を一段と成長させる分岐点となりました。
こうした「逃げない姿勢」こそが、現在の菅原組の強みである「誠実な施工」に繋がっています。私たちは、見えない海の中だからこそ、一切の妥協を許しません。自社船を保有し、熟練の技術者が「自分の仕事に責任を持つ」。この当たり前の積み重ねが、地域からの「菅原組なら安心だ」という評価に繋がっていると自負しています。

【地域になくてはならない存在として】
漁業が元気でなければ、私たちの未来もない。

私たちは「海洋土木北海道No.1」を掲げていますが、それは単に規模を追うことではありません。「地域に最も必要とされる存在」になることです。
そのひとつが、2008年から取り組んでいる「昆布養殖プロジェクト」です。漁師の高齢化で遊休化した施設を私たちが活用し、雇用を生み出す。建設業がなぜ養殖を?と思われるかもしれませんが、理由はシンプルです。「漁業が活況でなければ、港を直す仕事も生まれない」からです。
また、地域防災も私たちの重要な使命です。災害が起きれば、真っ先に現場へ駆けつける。地域のインフラを守ることは、そこに住む人々の「日常」を守ること。SDGsや地域貢献という言葉が一般的になるずっと前から、私たちは「地域と共に生きる」ことを経営の根幹に据えてきました。これからも、この「共生」の精神は揺らぐことはありません。

【採用と働き方の変革】
「かっこいい海洋土木」を次世代へ。

現在、私たちは「採用改革」と「働き方改革」に全力で取り組んでいます。2018年には初の技術系女性社員を迎え、近年では「ブライト500」(健康経営優良法人中小規模法人部門に認定された企業のうち、特に優れた健康経営の取組を行う上位500社を経済産業省が選定・顕彰する)や「ユースエール」(若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度)の認定を受けるなど、健康経営と福利厚生の充実に努めています。
かつての「キツい、危ない」というイメージを払拭し、ICT施工やDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に導入しています。ドローンによる測量や、最新の起重機船での精密な作業など、現場は日々進化しています。
私が目指すのは、「子供が戻ってこられる会社」です。 社員が自分の子供に対して、「お父さん・お母さんの会社はいい会社だよ、一緒に働かないか」と胸を張って言える環境。そのためにも、完全週休2日制の定着や、年3回の賞与支給といった「還元」を継続し、有能な若者が「菅原組で働きたい」と思える先進的な職場を作っていきます。

【70周年を機に「変えること」と「変えないこと」】
DXで進化し、伝統の「和」を堅持する。

これからの時代、変えなければならないのは「仕組み」です。デジタル技術を駆使して効率を高め、より安全でスマートな施工体制を構築することを目標としています。古い慣習にとらわれず、新しい技術にはどんどん投資していきます。
一方で、絶対に「変えないこと」があります。それは、創業以来の社訓である「誠実・忍耐・努力」、そして社員を家族と考える「菅原組ファミリー」の精神です。
鉄の塊である巨大な作業船を動かすのは、最終的には「人の心」です。社員同士が活発に意見を言い合い一丸となる「和の社風」こそが、私たちの宝です。

【100周年に向けたメッセージ】
「誠実な施工」の先にある、100周年を目指して

菅原組は今、70年という歴史のバトンを次世代へと繋ぐ、極めて重要な地点に立っています。私たちの仕事である「海洋土木」は、一度造れば数十年にわたって地域を支え続けるインフラを担うものです。だからこそ、私たちは「今」だけでなく「30年後の未来」に責任を持たなければなりません。 私たちはこれからも、皆様の身近なパートナーであり続けます。私たちの誇りは、単に大きな構造物を造ることではありません。皆様の「ここが使いにくい」「こんなことで困っている」という小さな声に耳を傾け、それを形にしていくことです。これまでの70年で培った「海洋土木の菅原組」としての経験と技術を、これからの時代に合わせた形へと進化させ、地域経済の基盤である漁業と港の未来を、共に創り上げていくことをお約束します。

70年前、松前町の一角で小さな声を上げた菅原組は、今や北海道を代表する海洋土木企業へと成長しました。時代が変わり、技術が進歩しても、私たちの心根にある「誠実・忍耐・努力」という精神は、一滴も薄まることはありません。
「変えるべきもの」を恐れず変え、「守るべき伝統」を死守する。 私たちは、100周年という未来へ向けて、一歩一歩、誠実に波をかき分けて進んでまいります。 これからも、株式会社菅原組をどうぞよろしくお願い申し上げます。

ロゴについて

菅原組は、港湾工事を主体とする会社であり、全社員が一丸となって、その職務を遂行し、会社の円満なる飛躍を目標としている。
社章のSは、菅原組が常に誠実(Sincerity)をモットーに仕事をしていることを表わす、それぞれの頭文字のSを表わしている。また、Sの曲線は、函館湾、一名巴港とその波形を表わし、周囲は海を表わしている。
外側は、人の和、円満、無限、永遠を表わす円相の○で囲み、会社が無限の繁栄をするようにとの願いがこめられている。
円はまた、いかなる状況にも対応できるものであり、いかなる経済情勢、社会情勢にも対応できる躍動と飛躍を望む心を表わしている。

交通アクセス

〒040-0076 函館市浅野町4番16号
TEL:0138-44-3710
FAX:0138-62-3710

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函館空港から 車で25分